« 2009年9月 | トップページ | 2009年12月 »

2009年10月

2009年10月25日 (日)

映画、『雲のむこう、約束の場所』鑑賞

 昨日、『秒速5センチメートル』と一緒に『雲のむこう、約束の場所』も観てきました。
 こっちに関しては、本当に予備知識一切無しで鑑賞。

 廃墟好きとしては、廃線になった鉄道駅が気になっていまして。
 片田舎のお話かと思っていたら………。

 これ、SF作品だったんだぁ(^^;

 途中から戦闘シーンも入り、ミリオタの俺、超歓喜w

 世界観の設定、物語の展開、キャラクターの個性。
 ぐいぐいと襟首を掴まれるように、引き込まれていくのが自分でも判る。

 ちくしょう………。
 これ、映画館で観たかったなぁ。
 細田監督の『時をかける少女』のように、何度も映画館へ通ったに違いないない。

 世界観の設定が、中学時代、三年後、平行世界と多層的な構造になっており、全てが上手く重なっている。
 それが物語に大きな深みを与え、先の展開が読めずストーリーへのめり込む遠因になっていると思う。

 恋愛ものとしてみても、その純粋な想いがとても透明で。
 思春期特有の肉体関係の無い、想いだけで紡がれる恋愛詩が、熱く、悲しく、切なく。
 『ジュブナイルは、かくあるべき』というお手本のようなシナリオだと思いました。
 幾つか疑問に思う部分(巡視船に銃撃された後とか)もありましたが、完成度の高さが矛盾点を打ち消してあまりあるかと。
 最後の『無くしてしまうもの』の正体には、正直やられたと思いました。あのオチは上手い。


 画像に関しては『秒速5センチメートル』でも同じ事を書きましたが。
 背景がとにかく高レベルで素晴らしい。それでいて、アクションシーンやヴェラシーラの飛行シーンなど、動きとしての映像も卒がない。
 実写にも引けを取らない美しさは、間違いなく映画としてトップクラスにあると思う。


 ヒロインである、沢渡佐由理がとても可愛いわぁ………。
 もっとも、新海監督描く女の子は、キャラに思い入れが詰まっていて、どの子も魅力的ではありますが。

 男キャラも年齢に幅があり、自分の役割を淡々とこなす姿は、どのキャラも格好いい。
 逆に駄目なキャラがいない気がする。みんな良い人ばかりで。 『秒速5センチメートル』でも、同じことが言えますけどね。主人公が一番ヘタレなのもw
 もっとも、この映画の主人公はちゃんと約束を守ったので、一緒にしたら可哀想ですが。


 BGMや主題歌に関しても文句なし。
 好きな子が弾いていたバイオリンを、同じ曲を憶え練習する主人公。曲の音色も加味され、あのシーンは印象に残りました。


 感想をまとめると。

 アニメ史上、傑作の一つ。
 アニメ好きで未見の者は、今すぐ観るべし。

 やっぱり最後はハッピーエンドが良い。 
 『秒速5センチメートル』の結末がアレだっただけに、強くそう思う。

|

映画、『秒速5センチメートル』鑑賞(少しネタバレ)

 ずっと未見だった『秒速5センチメートル』を、本日、とある上映会で観てきました。

91024_05


 まず、感想を一言でいうと。
91024_03
 実は『秒速5センチメートル』、今回が初見でした。
 つい先週、映画のプロモを偶然見かけまして。
 本編を見たいと思ったものの、家の小さな画面では感動出来ない。
 どうせなら、大きなスクリーンで鑑賞したいっ!!
 そう思い早速調べたところ、運良くプロジェクター持ち込みの鑑賞会をmixiのコミュで発見した次第。


 プロモでも感じましたが、背景のクォリテイがとにかく高い。実写かと思うくらい。
 また演出のレベルも素晴らしく、コンテの切り方など場面展開のそつがなく。
 『映画館で見ていれば良かったなぁ』と何度も思いました。
 個人的には、踏切で往復で走ってくる小田急線の演出に、ぐっと来ました。アレは動画だからこそ出来る技だと思います。

 背景に力が入ってるせいか、キャラの動きはそれほど激しくないのですが。
 女の子の何気ない仕草など、キャラ作りに制作者の拘りが感じられて、どの子も可愛い事この上ない。

 男キャラはというと…………。
91024_04
 お前は女の子を何人泣かす気かと。約束したなら、ちゃんと連絡取れよと小一時間…(以下略

 私自身、過去に2回遠距離恋愛をした事があり、主人公の気持ちは痛いほど判るが、判るだけに腹も立つ。
 映画の質が極めて高いだけに、あの結末は大きなストレスとなりました。
 
 シナリオに関しては『秒速5センチメートル』『雲のむこう、約束の場所』ともに、『中学の頃の約束&それを引きずる男女』という内容なので、次回作はどうなるのやら。
 あと、男女における性的な臭いが、とても薄い事も気になりました。
 細田監督の『時をかける少女』『サマーウォーズ』は意図的にあえて外したように思えるのですが。
 新海監督の場合、プラトニック・ラブが前面に押し出され、性的なものは忌避されている印象を受けました。
 なぜそう思ったかといえば、描かれる恋愛がどれもロマンチックで………。
 恋愛の理想型とでも言いましょうか。
 それ自体は悪くないのですが、現実感が少し薄れている気もしました。

 最後に音楽ですが。
 主題歌の『One more time, One more chance』は怖いくらい嵌っていました。この映画のために作ったのかと思うくらい。
 効果音は画像の質を上げる事に一役買っていたと思います。


 感想をまとめると。
 全体的に高レベルの作品。ただ、結末にはモヤモヤしたものが残る。
 以上が『秒速5センチメートル』の個人的な感想でございます。

 もう一度観たいかと言われると…………。
 映像は良いんだけどなぁ。
 あの結末がなぁ。
 やはり過去のトラウマが原因でせうか?(´・ω・`)
 第三部の前に、主人公が恋人と縁を切る描写があれば、印象は全く違っていたと思う。
 別れた上で、思い出を引きずっているのなら、むしろ主人公に同情するのに。

|

« 2009年9月 | トップページ | 2009年12月 »